Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

Canonの撒き餌・単焦点レンズEF 50mm F1.8 STM実写レビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先日Canon EOS Kiss x7用にCanonの撒き餌レンズと呼ばれているEF50mmF1.8STMの購入経緯を書き、そこに少し感想も掲載をしておりますが、今回は購入から約2ヶ月が経過しましたので、使用感を中心に詳細のレビューをさせて頂きたいと思います。

これまで屋内での物撮りがメインで屋外、特に日中での撮影があまりできていないのですが、撮影写真も掲載しておりますので、現在Canonの一眼レフ用のレンズをお探しの方や、一眼レフを始めようとされている方、Canon EF 50mm F1.8 STMの購入をご検討中の方はぜひご参考になさってくださいね。

SPONSORED LINK

Canon EF 50mm F1.8 STMの詳細スペック

感想やレビューを紹介する前に、その内容をよりお伝えしやすいかと思いますので、Canonの単焦点レンズEF 50mm F1.8 STMのスペックをいくつかの項目に分けてご紹介しておきます。

単焦点について

単焦点というのは画角が固定されているレンズのことで、ズーム機能のないレンズのことを指します。そのため撮れる範囲を変えたい場合にはカメラ自体を前に持っていったり後ろに下がったりと撮影者自身が足を動かしてアングルを変える必要があります。

焦点距離・画角について

Canon EF 50mm F1.8 STMの画角はタイトルにもある通りフルサイズ使用時で焦点距離が50mm、Canon EOS Kiss x7で撮影をするとフルサイズ換算で80mmという中望遠の画角となります。焦点距離や画角という単語については様々なサイトや本で書かれているかと思いますので、ここでは詳細説明は省きますが、50mmというのが人の目に写る画角で標準画角と言われていますので、80mmですと少しズームをした状態の画角となります。

フルサイズ換算についてはCanon EOS Kiss x7の場合には1.6倍して数値を計算します。Canon以外のメーカーでAPS-Cサイズの一眼レフをお使いの場合にはほとんどの場合1.5倍となります。

F値について

Canon EF 50mm F1.8 STMの最小のF値は1.8です。F値については簡単に言うと、数値が小さければ小さい程、明るい写真を撮影することができるというものです。またF値が小さいと被写界深度(ピントが合っている範囲)が浅くなるため、ボケ味のある写真を簡単に撮影することができるようになります。

逆にF値を高くすると被写界深度が深くなるため、写真全体にピントが合った状態になりそれぞれの輪郭がキリッとした写真を撮影することができるようになります。

最短撮影距離・最大撮影倍率について

Canon EF 50mm F1.8 STMの最短撮影距離は0.35m、最大撮影倍率は0.21倍です。最短撮影距離というのはピントを合わせた上で一番近づいて撮影できる距離のことを表します。ちなみに被写体とレンズの距離ではなく、被写体とカメラ内部にあるセンサーとの距離なので注意が必要。

また最大撮影倍率というのは1倍であれば1cmのものを撮影した時に1cmで表現することができるというもので、一般的に寄れるレンズ(物を大きく写すことができるレンズ)と呼ばれたりもします。今回のCanon EF 50mm F1.8 STMでは0.21倍のため1cmのものを撮影しようとしても0.21cmとなります。
こちらも使っているカメラがCanon EOS Kiss x7のためフルサイズ換算にすると最大撮影倍率が0.336倍となり、APS-Cに装着をすれば比較的寄れるレンズと言うことができます。

オートフォーカスについて

オートフォーカスについてはSTMと書かれているようにステッピングモーターと言われるものを組み込んでいて、前作のEF50mm F1.8 IIと比較をすると静かにオートフォーカスをしてくれるモデルとなっています。

手ぶれ補正について

Canon EF 50mm F1.8 STMを使用する場合には手ブレ補正はつきません。ですので、シャッタースピードを遅くするとブレた写真になりやすいです。

Canon EF 50mm F1.8 STMのレビュー

それでは上記でご紹介をさせて頂いたスペック情報の流れを追いながら、撮影をしていて戸惑っている失敗作も含め、実際に撮影をした写真を交えながらCanon EF 50mm F1.8 STMのレビューを書いていきたいと思います。

単焦点についてのレビュー

Canon EOS Kiss x7にするまでに五年間ミラーレス一眼レフを使って来ていたのですが、単焦点レンズは使っておらず、初めての単焦点レンズということもあり画角が固定されているのに慣れるのが大変でした。あーここでズームできたら、引いたアングルで撮影できたらと思うこともたくさんありました。

単焦点であることについては次の画角についてと関連する部分が多いので、実写を含んでのレビューについては合わせて下の画角のレビューの方で紹介をさせて頂きます。

画角についてのレビュー

EOS Kiss x7と同時に購入をしたばかりの頃に、単焦点であることとフルサイズ換算で焦点距離が80mmになるという画角の狭さで、大きなものを撮影することにに戸惑っている時の写真がこちら。

大きなものを撮影する・失敗作 - Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

名古屋の興正寺というところで試し撮りとして大仏を撮影しようと思った時のことです。
最初は大仏を下から仰ぎ見るように撮り、背景に五重棟をぼかして撮ろうと思っていたのですが、地面すれすれで構えても大仏がものすごくアップになってしまい断念。地面を掘ってもっと下に行きたいと思った程でした。

ライトアップをしていたため周りに何人か人がいたのですが、完全に変なやつがいると思われたことでしょう。

下がると障害物が・失敗作 - Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

その後上記の写真のように大仏と五重棟が一緒に入れられるアングルを探し、ファインダーを覗きながら下がって行っても、なかなか五重塔と大仏が一緒に撮れるアングルにならず、どんどんと大仏の迫力が薄れていく印象に。

しかも、下がっているうちに次々に現れる障害物によって大仏が見えなくなったり、余分なものが写ってしまったりと全然思うような写真を撮ることができませんでした。

大きなものを撮影する - Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

結局この写真のように大仏と五重塔を一緒に撮影することを諦め、大仏を大きく撮影するのが精一杯でした。写真で見ると近くから撮影をしているように見えますが、結構離れた距離で撮ってこの大きさになりました。

逆にズームをして寄りで撮りたいと思ったのにできなかった例としては、11月の紅葉のシーズンに名古屋の白鳥庭園というところで紅葉を撮りに行った時のことが良い例になります。池を挟んで対岸にもみじがある場所で、もみじともみじが池に映る様子を撮りたかったのですが、目の前に池がありズームができないため、欲しいアングルの場所にたどり着くことができず、シャッターを押すことさえできずに断念。

アングルを探すためには歩く - Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

そのため上の写真のように撮りたいアングルの場面に足を運ぶことができる場所を、あちこちと歩き回って探す必要があるので、このレンズの画角に慣れきるまでは観光を楽しみながらながら撮影もするというのは、なかなか難しいのかもしれませんね。

実写例 - Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

またこのようにメインの被写体以外の背景をぼかすような写真がどうしても多くなってしまうような気もしています。ただ上の写真のように人が多く集まっている観光地などでは、前に人が入ってきたり、他に障害物があったりとズームをできないのがなかなかキツイなと思うような場面もありました。

寄って撮影をする - Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

もみじに近づくことができる場所では、このようにもみじだけにフォーカスして写真におさめることができました。結果としてEF50mmF1.8STMというレンズをEOS Kiss x7で使う場合の35mm換算で80mmという焦点距離では、メインになる被写体を見つけ背景や前景をぼかしたり、近づきやすいものを撮るのに使いやすいレンズなのではないかと思いました。

そういう意味では今回は被写体の関係で掲載することはできなかったのですが、人物を撮るポートレートで活躍することのできるレンズであると言えるでしょう。と言うのも被写体が人物であれば動いてもらうことができて、欲しいアングルを作り易いからです。人物の他には車やバイク、自転車なども撮りやすいのではないかと思います。

F値、特に明るさについてのレビュー

以前EOS Kiss x7用にEF 50mm F1.8 STMというレンズを選んだ理由について書いた記事の中でも述べたのですが、とにかく一番最初に驚いたのが明るさでした。

それまで使っていたミラーレスではキットレンズの14-42mmのF3.5-5.6というものを使っていたので特にだと思いますが、屋内のテスト撮影の時に真っ白な白飛びした写真を連発でとってしまったほど。ここまで明るい写真を撮ることができると暗い場所での撮影時でもISO感度を上げずに撮影できるので、ノイズが乗らずキレイに撮れることに喜びを感じました。

ボケ味のある写真 - Canon EF 50mm F1.8 STMレビュー

またF値を下げられることで、上記の写真のように簡単に背景や前景をぼかすことができ、ソライロマグの商品説明画像や記事のヘッダー作りなどでとても重宝しています。この簡単にぼかした写真が撮れるという特徴も、Canon EF 50mm F1.8 STMがポートレートに向いている所以でもありますよね。

最短撮影距離・最大撮影倍率についてのレビュー

特に屋内での物撮りをする際にCanon EF 50mm F1.8 STMの弱点かもしれないと感じる点が、最短撮影距離と最大撮影倍率です。

というのは最短撮影距離の30cmという距離に対して焦点距離が80mmと画角が狭いため、自宅などで席を立って部屋の中を動くことのできる場合はいいのですが、レストランのように席を立つことができない時にいくつかの料理の全体を撮りたいときにはなかなか苦労するのです。

最大撮影倍率についてレビュー - EF 50mm F1.8 STMレビュー

また、上記の写真ではこのチープカシオのリューズ(時間調整用のネジ)をアップにした写真が欲しかったのですが、先程も書かせて頂いたとおりCanon EOS Kiss x7に装着をしていて最大撮影倍率が0.336となっていて標準画角に近い単焦点レンズとしては寄れるものの、同価格帯のパンケーキレンズEF-S24mm F2.8(フルサイズ換算で0.432の最大撮影倍率)やマクロレンズなどと比較をしてしまうと、寄れるわけではないので、細かいものをアップで撮影する時には若干苦労をしてしまいます。

と言ってもソライロマグでの商品紹介の際には横幅が710pxほどとなっていて、使う画像の解像度が低くてもすむため、欲しいパーツの部分の所だけトリミングしてしまえば問題はないのですけどね

。これはソライロマグに限らず、画素数の大きさを求められることが少ないWeb用の素材全般について言えることで、写真の中の細かい部分をアップしたい時には、ほとんどの場合トリミングで対応できることが多いかと思います。
ただ、もし大きな写真に現像したい時や、ものすごくアップした画像が必要な時にはトリミングでは対応することができないので、最大撮影倍率の大きなマクロレンズが必要になる場合もあるでしょう。

オートフォーカスについてのレビュー

オートフォーカスについては今のところ一切問題なく使えていると思います。しかし、背面液晶を見ながらの撮影の時にはオートフォーカスの駆動音がものすごく大きい印象なので、音声つきで動画を撮る際や静かにしていなければいけない環境での撮影の際には、液晶画面を使っての撮影で困ることもあるのではないかと思います。

ただこれはレンズに問題があるのか、一眼レフ本体つまりCanon EOS Kiss x7側の問題であるのかは、他のレンズを試して調査した方がいいのかと思うので、今後Canon以外のレンズを購入した時に比較をしてみようと思っています。

手ぶれ補正についてのレビュー

スペックのところでも書かせて頂きましたが、Canon EF 50mm F1.8 STMでの撮影時には手ぶれ補正を使うことができません。そのため、背面液晶で確認をしていてもPCなどで確認をすると微妙にぶれているということがあります。手ぶれ補正については先日ご紹介をしている卓上三脚Manfrotto PIXIを使うことで、大幅に改善をすることができましたので、手振れにお悩みの方は三脚をお試しになられてみてくださいね。

それでは最後にCanon EF 50mm F1.8 STMはどんな人におすすめできるレンズなのかをご紹介して今回のレビューを終わりとさせて頂きたいと思います。

Canon EF 50mm F1.8 STMはこんな方におすすめ

ここまで実写を含めてCanon EF 50mm F1.8 STMのレビューをさせて頂きましたが、具体的にどんな人におすすめできるレンズなのかというのをまとめましたので、下記に該当される方はぜひCanonの一眼レフ用レンズとして、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

ポートレートをメインに撮影される方

画角についてのレビューの際に書かせて頂いていますが、Canon EF 50mm F1.8 STMはF値が低いレンズとなっているのでボケ味を簡単に出すことができます。また、単焦点なので被写体が動いてくれると欲しいアングルで撮影しやすく、人物を撮影するポートレート用として使いやすいレンズと言えます。

どんな写真が撮りたいか決めていないが一眼レフで上達したい方

これは単焦点に共通して言える事なのですが、画角が固定されているなかでアングルを足を運んで探すという作業は写真の上達に非常に役に立つと思います。というのは、足を動かしていてもいつも撮れる画角が固定のため、その画角であればどのようにして撮影するのが良いのかというものが経験則で徐々に身に付いていくからです。

また、試行錯誤をして思い通りのアングルできれいな写真を撮ることができたときは非常に嬉しくもあり、写真についての知識を増やしたりキレイな写真を撮るために練習をしたいという意欲も数段アップしてくれます。そして何より先ほどから何度も触れているように、Canon EF 50mm F1.8 STMでは一眼レフらしいボケ味のある写真が簡単に撮れるので、その嬉しさや喜びを早い段階で味わえるという点もおすすめのポイントとなっています。

一眼レフ初心者の方

Canon EF 50mm F1.8 STMは一眼レフらしいボケ味のある写真を撮るレンズとしては、15,000円前後と非常にリーズナブルな価格設定となっています。そのため一眼レフボディ単体とレンズキットの価格差で手に入れることができフルサイズにも対応しているため、Canonの一眼レフをボディで購入しCanon EF 50mm F1.8 STMを合わせて購入されるのもおすすめの購入方法となっています。

EOS Kiss x7用のレンズとして

今回Canon EF50mmF1.8STMをつけて写真を撮影したのは、全てCanon EOS Kiss x7というエントリークラスの一眼レフでした。まだまだ写真を上手に撮れているわけではないですし、ご紹介した失敗例などのように失敗することも多いのですが、一眼レフで撮影する楽しさを存分に味わうことができるボディとレンズの組み合わせなので、EOS Kiss x7をお持ちの方はぜひご検討をしてみて下さいね。

今回レビューしたCanon EF 50mm F1.8 STM

Canon EF50mm F1.8 STM

定価:19,500円(税抜)

参考価格:13,599円(税込)

最短撮影距離:35.0cm

最大撮影倍率:0.21倍

フィルター径:49mm

質量:約160g

少し長くなってしまいましたが、Canon EF 50mm F1.8 STMのレビューはいかがでしたでしょうか。まだまだ上手な写真が撮影できない上に、屋外の写真が少なく申し訳ないのですが、今後も少しずつCanon EF 50mm F1.8 STMを使って撮影をし、ソライロマグのサイト内はもちろん、公式のInstagramやFacebook、Twitterでも投稿をしていきますので、ぜひそちらも合わせてチェックなさってくださいね。

また、今後はCanon EF 50mm F1.8 STM以外のレンズも購入をし、比較をしたりレビューをしたりしていきますので、今後もソライロマグをよろしくお願い致します。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
SPONSORED LINK